自分のアストロヒッチメンバーの作業をしています。 なんでって? 実はアメリカからの輸入品を使ったレシーバーチューブ(ボールマウント受け口、ヒッチホール)が膨らんできてしまったのです。 ヒッチピン穴が広がってるのは以前から気がついていたが、それはヒッチピン先端を曲げて抜け留めになっている物を使っていて、その曲げ部分が荷重によって穴を変形させているのだと理解していたので、定期チェックを怠らずに使い続けるつもりで居た。 この画像が一番わかりやすいかな。 だいぶ膨らんでるでしょう。 ヒッチ本体は弊社で作っていますが、アメリカの規格の角パイプはその都度輸入品を使うしか無く、輸入品のウェイトディストリビューションヒッチを使う様な場合、ボールマウントの差込部分はアメリカ製品を使っているのです。 だってそうでしょ、世界中で、インチ、ガロン、オンス、フィートなんてわがままな単位を使うのは北米だけですから。 ここで簡単にウェイトディストリビューションヒッチ(WDhitch)を説明するスケッチを描いてみた。 図で書いた様にアメリカントレーラーは連結部にかかる荷重(ヒッチ荷重)が非常に重いのです。 そのままでは連結して安定した車両姿勢を保てないので、連結部から後ろに何らかの棒を出し、その棒と、トレーラーのフレームをむりやり引っ張る。 ちなみにコレが私の26ftアメリカントラベルトレーラー。 連結部を持ち上げる様に車両の姿勢を保つのがWDhitchの基本的な考え。 無茶苦茶な発想でしょう。ヒッチのみで車両を持ち上げる様な構造だから、それなりの牽引車が必要になると言うわけ。 ボールマウント部分の拡大図。 図の物はラウンドバータイプだがその棒はいろんな形状がある。 棒はバネ鋼のような弾性のある材質が使われているが、WDhitchの創世記には、ただの角パイプの物もあった。hottrucks http://www.hottrucks.jp/ に行くと創世記の物から様々な部品をこの目で実物を見ることが出来るので牽引している方達は遊びに行くと楽しいですよ。あそこの社長は他社で購入した人でも分け隔て無くお付き合いする面倒見の良い方ですから。 これらがWDhitchの構成部品など。 今回はコスト度外視必殺自社製レシーバーチューブを使うことにした。実はこれを作るのは二度目で、前回はもっと分厚かった。 http://sunrocky.blog-rpg.com/Date/20100308/1/ さすがにシャレのつもりだったので、今回は必要十分と思える厚みで。 重量級のトレーラーを牽引しているユーザーの皆さん、アメリカン、ヨーロピアン問わずメーカーが表示している許容荷重以下だからとノーメンテナンスで点検もせずに一生物と思いこみ使い続けることは出来ませんからね。 アメリカでもヒッチメンバーに関するトラブルはあります。 http://www.airforums.com/forums/f464/cracks-in-hitch-58202.html http://www.airforums.com/forums/f464/damaged-hitch-receiver-54796.html http://www.airforums.com/forums/f464/check-your-chevy-factory-hitch-23424.html http://www.airforums.com/forums/f464/gmc-2500hd-owners-beware-44039.html http://www.airforums.com/forums/f463/chevy-factory-hitch-problems-31857.html ご自身の安全な牽引ライフのためには、自動車の運転者には義務づけられている運行前点検は必須ですからね。 それと出来れば数年おきにプロの目による点検をすると良いでしょう。 車検でヒッチメンバーを正しく点検できる、自動車整備業者は日本には皆無に等しいと思いますよ。 ブレーキは車検の度にきちんと点検してるでしょ。ヒッチメンバーは連結器ですので、ブレーキと同じ重要保安部品ですよ。 ヒッチメンバー屋でもこんなに失敗談も含め情報発信してる業者って他に居るのかなあ。自分の職分を守るためにあまり色々と公開せずに相手を素人だと思って適当に説明する業者も多いと思うよ。 まだまだ未成熟なんだから、ヒッチメンバーの世界には様々な不可解な伝説が存在するでしょ。 これだって言い方変えればノウハウだもんねえ。こういった実体験を元により良い製品作りが出来て、それらを公開し、日本の牽引文化が成熟していけばいいんじゃない。 |